◇離婚

 

◇離婚手続き業務

 

 

離婚には大きく分けて「協議離婚」「調停離婚」「審判離婚」「裁判離婚」の4種類がありますが離婚のおよそ9割は夫婦双方の合意によって成立する協議離婚です

 

協議離婚では子供の養育費を始め、婚姻費用、慰謝料、財産分与などの金銭面での取り決めや、子供の親権、監護権、面会交流権といった事柄が「離婚協議書」によって決められます。

 

 

当職は、ご依頼に際し夫婦の話をじっくりと聞き、夫婦双方の立場に立ちながらも客観的な目線における適切なアドバイスをし、それを文書(離婚協議書)にする職権を有します(行政書士法第1条の2)。

 

 

 

【約束は守られてこそのもの】

 

 

 

しかし、注意しなければならないのは離婚協議書は裁判での証拠にはなってもそれ自体には強制執行力はありません。最初は子供の養育費等を取り決め通り支払っていても、時が経つにつれ支払い側の情が次第に薄れてきて、支払いが滞るということも多々あります。従いまして、夫婦双方が合意した約束事を最後まで確実に履行させるためには、公証役場に行き、作成した離婚協議書を基に「強制執行認諾約款」を条項として付記した「公正証書」を公証人に作成して貰う必要があります。

 

 

 

【離婚に付随する様々な問題】

 

 

 

例えばお子さんがいる場合には、養育費、親権、面会交流などの他にも、離婚後の子供の氏や戸籍はどうなるのかとか、あるいは、住宅ローンがある場合や住宅を売却してもなおローンが残る場合(いわゆる「オーバーローン」)の財産分与はどうすればいいか、一方の配偶者が婚姻以前から有していた財産(特有財産)はどうなるのか、熟年夫婦の場合の年金分割はどうやるのか、またあるいは、別居中の婚姻費用は請求できるのか等々、離婚には様々な問題が否応なしに付随します。市民コンサルタントとしての行政書士はそうしたご夫婦の抱えるお悩みに適切なアドバイスをいたします。

 

 

 

【提案は専門家、決めるのは夫婦】

 

 

 

夫婦の相互信頼を基礎とした「通常の離婚協議書」だけに止めるか、さてまた強制執行力のある「強制執行認諾約款付公正証書」にするかの最終的な判断は、我々行政書士ではなく夫婦がすることですが、両者の違いをきちんと説明し、置かれた状況に最も適した方法を相談者に提示し、将来起こりうる様々な法的危険(親権や監護権などの子供に対する権限や金銭面をめぐっての紛争)を事前に予知して、そのリスクをできるだけ回避し、泥沼の紛争に至ることのないよう、極力円満に問題解決しようと務めることは「市民法務の総合コンサルタント」としての行政書士の重要な使命であり、このような事前策を講じることを「予防法務」といいます。

 

 

 

【転ばぬ先の杖が行政書士の真骨頂】

 

 

 

「泥沼の争訟をあらかじめ防ぐための処方箋」としての「予防法務」の理念から、また、弁護士法72条及び司法書士法3条との関係から、調停または裁判などの「紛争」に発展してしまった場合における、裁判所に提出する書類の作成は残念ながら行政書士にはできません(行政書士法第1条の2第2号)。

 

 

 

しかし元来、話し合いによる和解や、当事者間の合意による問題解決を本義としてきた農耕民族としての私たち日本人に、欧米のような訴訟社会は慣習的に馴染みませんし、また国民性とも似合いません。

 

 

 

泥沼の訴訟を予防するための「転ばぬ先の杖」、それがわたくしども行政書士の本質でありまた真骨頂であるように思います。どうしても紛争が不可避となった場合は、弁護士や司法書士にこれらの手続きを依頼し、各専門家と連携して対処いたします。その場合、各専門家への報酬が別途必要となります。